☆本題の前にリスクを犯さない

 

本題の前にリスクを犯す??

 

 

 

僕が考える「会話が下手な人」の典型は、

 

 

質問調の言葉を挟んで、いちいち同意を求めてくる人です。

 

 

例えば、こんな感じです。

 

 

アベノミクスは順調らしいけど、景気がいいって実感できないですよね」

「出版界も本が売れなくて大変じゃないですか」

「やっぱり、東日本大地震以降、エネルギー問題は心配じゃないですか」

 

 

個人的にはイラっとして、「いえ、そんなことないですけど」

と言い返したくなってしまうのをグッと我慢します。

 

僕のイライラはともかく、

 

 

この種の話し方が決定的にまずいのは、

本題に入る前に反論されてしまうリスクがあることです。

 

 

本来聞くべき必要のないところで不本意に同意を求めて反論されてしまうことで、

そのあとで展開したい本題と噛み合わなくなってしまうのです。

これによって結論を導こうと思っていた本来のシナリオは、早々に崩れてしまいます。

最悪の場合、会話はこれだけで、ジ・エンドです。

 

 

 

なぜ、「〜じゃないですか」は、

人を不快にさせるのか?

 

 

 

この罠によくハマっているのが、セールスを担当している人です。

例えば、保険の勧誘では、本題に入る前にこんな会話が交わされることがあります。

 

「〇〇さん、今はいいとしても、やはりいざ病気になったら困るじゃないですか」

「そういう人もいるかもしれませんが、僕は別に困りませんが・・・」

 

 

こんな前フリなら、むしろ直球でぶつかって

「〇〇さん、ぶっちゃけ保険はどんなものに入っていますか?」

と聞いてくれた方がよほどスッキリします。

 

 

僕に保険そのものに入る意思がなければそれを伝えるだけですし、

今入っている保険と同じような内容で保険料が下がるのなら、

数字を比較検討するだけです。

営業マンとして見た場合、こうした割り切った話ができる人の方を、僕は信用します。

 

「〜じゃないですか」という言葉でいちいち同意を求めたくなるのは、

小さなイエスを積み重ねていけば、

最終的な目的に対してもイエスと言ってもらいやすくなる。からでしょうか。

しかし、そんな戦術に引っかかってくれるのは、

相手のレベルが低い場合だけだろうと思います。

 

あるいは、自信がない為、

いちいち同意を求めなければ不安で先に進めないというパターンです。

 

いずれにしても、この種の問いかけにうんざりしている人たちにとって、

相手にビジネスのセンスを感じることはまずありません。

自分も自信がないことを、言葉尻でフォローすることなど、決してできないのです。

 

「〜じゃないですか」は、案外多くの人が無意識に、癖のように使いがち。

ビジネスシーンでは、

相手の小さな同意を導きだして結論を誘導しようとするくらいなら、

いきなり本題に入ったほうが、お互いにスッキリするものです。

 

 

 

本題に入る前にリスクを犯してはいけない!

同意を求める「〜じゃないですか」はNGワード