☆大勢の中でも1対1で話す

 

無理やり大勢に話しかける??

 

 

 

長年、日本の人から話が面白いと思われている明石家さんまさんは、

ピンの企画がほとんど存在しません。

明石家さんま お笑いソロライブ」というのは、

聞いた記憶がないはずです。

 

最も出演者が少ないのが「さんまのまんま」のような対談番組。

かつての「夜のから騒ぎ」や、現在の「踊る!さんま御殿」は

ひな壇とのトークですし、ひとりで喋ることが多いラジオでも、

複数のタレントやアシスタントがレギュラーでいます。

 

ただし、どんな状況であっても、さんまさんは徹底的に1対1で話します。

 

 

 

1対1で話す大きなメリットとは?

 

 

 

1対1で話すことの効果は、

相手とエンゲージメントが結べる(絆を深める)ことにあります。

それによって

 

 

その場にいる誰と誰が、何について話し、議論しているかを、

当人同士も、周囲から見ても明確化できるものです。

 

 

何人もいる中で1対1で話す方法はそれほど難しくありません。

例えばAさんと何かのテーマで話しているとき、

 

 

さんまさんは必ず質問に「Aちゃん、どうやった?」と名前を混ぜることで、

Aさんの発言を促しつつAさん以外の発言を封じます。

 

 

そして数分間Aさんからひとしきり話を引き出し、他の人にも聞かせ、

そのテーマがまだ使えそうだと踏めば、同じテーマで

「ちょっとBちゃんにも聞いてみようか?」と、

やはり指名で話を振っていきます。

こうして、その時点では常に1対1であるように場をコントロールしているのです。

 

 このテクニックを知ってから、僕も会議で多用するようになりました。

会議でアイデアを披露するのなら、決定権が最も強い人に向かって話します。

 

 

方法は、会話の中に「〇〇さん」と相手の名前を入れただけ。

 

 

しかしそれだけで、大勢の出席者の中で、1対1で関係が結べるのです。

その場で一番偉い人と話しているのですから、他の人は当然耳を傾けます。

 

そこで肯定的なリアクションがあれば、今度は現場を仕切っている人や

実際に一緒に仕事をする担当者に向き直って1対1になり、具体的な話を進めるのです。

 

 

この方法なら、芽のないアイデアは早々に引っ込められますし、

「上に確認してみないと・・・」

というような指揮系統による時間の無駄も激減します。

 

 

意見の決定や共有が断然スムーズになることで、スピードアップするのです。

 

順序よく、1対1で話しながら議題を進めていく姿は、

それを聞いている周りの人に「できるな」という印象を与えます。

 

 

 

小泉進次郎池上彰のテクニックを学べ!

 

 

 

大勢の中でも1対1で話せれば、実は事実上1対大勢でもうまく話せていると言えます。

 

若きプリンス、小泉進次郎代議士の演説テクニックを思い浮かべてください。

なぜ彼は、人の心を掴むのか。

 

小泉さんは大変な人気者ですから、演説会場には多くの集まってきます。

 

 

彼は演説を始める前に、聴衆の中から自分の近くにいる何人かを選んで、

雑談のような世間話をするのです。

 

 

「おばあちゃん、暑い中ありがとう」

「どこから来てくれたの?」

「立たせっぱなしでごめんね、体調は大丈夫?」

小泉さんは中高年の女性に人気がありますから。話しかけられた支持者は感激します。

こんなやり取りを本題に入る前に4〜5人に対して行います。

 

その場にいる多くの聴衆がこのやり取りを聞いています。

そして不思議と暖かい空気に包まれ、気持ちが和らいでくるのです。

 

また、こういうシーンをテレビカメラは狙っています。

おばあちゃんの手を取って優しく語りかける小泉進次郎

周囲にいる人だけでなく、お茶の間でテレビを見ている人たちも、

こうして彼に心をワシづかみにされていきます。

 

 同様のテクニックを使っているのは、ジャーナリストの池上彰さんです。

池上さんは長年NHKに出演していたことで大変な信頼感を抱かせる人です。

その会話の特徴は、誰に話を振る場合でも、

 

 

徹底して相手の名前を入れていくことです。

 

 

「〇〇さん、私はこう思いますが、いかがですか?」

「××さん、アンケートはこういう結果ですが、いかがですか?」

こうした作法は、Q&Aを明確にすると同時に、

 

 

実力者、権力者に対しても遠慮せずにしっかり向き合う姿を、

タレントや一般人相手であれば決して馬鹿にしない誠実さを表せます。

 

 

付け加えると、池上さんは「私はこう思いますが・・・」の部分のレベルを、

 

 

本当にご自身がご存知のことよりも、

グッと視聴者寄りに身近な話にしているはずです。

 

 

質問の際には、必ず視聴者目線まで噛み砕いて質問しています。

これがうまく作用して、

視聴者は池上さんが自分の疑問を代弁してくれているような気持ちになるのです。

 

 

 

大勢の会議でも、会話は常に1対1

ひとりと上手に話せれば大勢いてもうまくいく