☆「前フリ」から入る
いきなり「本題」に入る??
災害速報は、テレビメディアが最も大切にしている分野のひとつです。
被害の様子や規模をリアルタイムで目で確認できるのは映像メディアだけ。
大雨で増水し、今にも堤防が決壊しそうな川がテレビで映し出されたら、
流域の人たちに、急いで避難を呼びかけたくなります。
緊急時には、言葉で伝えるよりも現場の映像を見てもらったほうが早い。
そこで早速中継を挟むことにしました。
スタジオから中継映像に切り替える際には
「それでは、
先ほど氾濫危険水位を超えた〇〇川の△△橋付近から中継でお伝えします」
などの「フリ」が入ります。
ちなみにフリとは、放送で本題に入るための繋ぎとなる前置き、
導入を言う業界用語です。
実はこれが、極めて重要な役割を果たしているのです。
試しに、テレビの災害速報を音声を消したまま見てください。
何のフリもなく増水した川の映像を見せられても、
特に危険感もなく「この泥沼はどこだろう?」と思ってしまうでしょう。
何気なく受け取っているフリが、
実はそのあとに入ってくる情報のイメージを決定付けているのです。
古ぼけた家の映像をただの空き巣と感じさせるか、
「江戸時代に建てられた幽霊がよく出るらしい屋敷」
と感じさせるかはフリ次第なのです。
絶対に失敗しないデートの誘い方がある!?
本題の前にフリをつける理由は、
そのあとに出てくる情報にあらかじめ意味付けを行うことです。
わかりやすく言えば、
「期待感」を持ってもらう
ことです。
異性を食事に連れて行く場合、「じゃあイタリアンでも食べる?」
なんて誘い方は退屈ですし、そのレストランが本当に美味しいのであれば、
もったいない話です。
「何を食べるか」という本題しか伝えていないため、
ほとんど期待感がないのです。
「この近くに美味いイタリアンレストランがあるんだけど行かない?」
なら、多少は改善されています。
少なくとも美味しいというポジティブなイメージは伝えていますから。
でも僕ならこんな言葉にします。
「この近くに凄く美味しいイタリアンレストランがあって、
イベリコ豚のソテーが口に入れたら5秒で溶けるくらいの絶品なんですよ」
「この近くのイタリアン、女優の〇〇さんが行きつけの店らしいですよ」
こうして「フリ」を入れることで、相手は期待を膨らませ、
勝手に想像力を動かせてくれます。
これで、相手はあなたの誘いを受けてくれる確率が上がります。
これはビジネスでもちろん有効です。
「1000人のモニター調査で97%が美味しいと言った新商品が来月発売です」
「ここは芸能人が沢山住んでるマンションなので、
物件としては価値があると思いますよ」
など、本題に入る前に、相手にポジティブなイメージを
持ってもらえるフリをつけるようにして見てください。
前フリは相手の想像力にアクセスするテクニック
本題の前に期待感を膨らませよう!