☆ワシづかみポイント③

 

◉大勢の会議でも、会話は常に1対1。

 ひとりと上手に話せれば大勢いてもうまくいく。

 

◉相手に求められたのは「事実」か「意見」かを見極めよう。

 

◉話の出所を明確にすれば、話が混乱せず信頼度もアップ!

 

◉起承を飛ばして転結を語ってはいけない。

 どの段階で「大きな桃」が流れてきたかを思い出せ!

 

スマホで録音、テレビで録画。

 話術を鍛えるトレーニングはすぐできる。

 

◉1時間の打ち合わせを4つに分割する。

 最初のパートで自分を好きにさせる。

 

◉第2パートではいきなり本題に入る。

 提案内容と価格を開示せよ!

 

◉企画書には、形式を整えるための前フリが多い。

 口頭で説明するときは、大胆に省いて本題から入れ!

 

◉早く終わったら、相手次第で雑談を振るのもよし。

 ただし、無断延長はNG! 

 

◉「自分が会議にいる意味」は何か?

 存在感を出したければ、ノートパソコンで検索しまくれ!

 

 

☆会議にノートパソコンを持ち込む

 

会議にタブレットを持ち込む??

 

 

 

会議の中でさらに新しいポジションを構築しようと思って最近導入したのが、

何も変哲も無い、ただのノートパソコンです。

 

会議ではよくこんな発言が飛び交います。

 

「そういえば、スマートフォンの普及率って、今どのくらいなのかなあ?」

アメリカの〇〇のプロモーションビデオでウケてるの、あったじゃない。

ここのV、あんな感じでうまくさばけないかな」

何を意図としてこう発言したのかはわかりませんが、

何らかのアイデアが湧き出している瞬間です。

 

 

 

存在感を出すために何ができるか?

 

 

 

持ち込んでいるノートパソコンを使ってヤフーやグーグルで

「日本 スマートフォン 普及率」を、

YouTubeでアーティスト名を検索するだけ。

 

そして10秒ほど調べてから、発言します。

 

「〇月××調べでは、日本のスマホ普及率は49.7%ですね」

「そのPVってこれですか?じゃあこのテレビで再生しますね」

 

もちろん会議はその材料をもとにして進められます。

要は誰かが疑問に思ったことを検索しているだけ。

 

 

ネットに繋がるパソコンを会議の場に持ち込むだけで、

新しいポジションの確立に成功したのです。

 

 

今では会議の展開を読んで、データを先回りして調べることもあります。

会議は濃度を増していきます。

 

実はパソコンを会議に持ち込むのには、並列して仕事を進められたり、

ちょっとしたメールにすぐ返信できたりするメリットもあります。

 

 

タブレットではダメなのです。

キーボードが素早く打てませんし、周囲からも丸見えなので。

また、スマホだと仕事をしているように見えません。

 

 

もしあなたが会議に出席していても、

いるのかいないのかわからないくらいの立場であれば、検索エンジンになるだけで、

会議で重宝がられ、いつの間にかポジションを獲得できることは間違いありません。

 

そして、検索や調べ物を重ねれば重ねるほど引き出しが増えていき、

知識もスキルも増えていきます。

やがて人からも頼られるようになります。

 

 

 

「自分が会議にいる意味」は何か?

存在感を出したければ、

ノートパソコンで検索しまくれ!

 

☆アポが早く終わることを「いいこと」と考える

 

アポが早く終わると不安になる??

 

 

 

さて、残りの30分、3番目と4番目のパートをどう使えばいいのか。

第2パートで説明を終えられれば、

 

 

第3パート以降は雑談でも世間話でもいいですし、

打ち合わせ自体を早く切り上げてしまっても構いません。

 

 

もし第2パートでビジネスの話が終わらず、

相手にもまだ聞こうとする気持ちが残っていると感じられるのなら、

次のパートも引き続き説明に費やしてください。

 

 

場の緊張を緩めたり、お土産のお菓子を勧めたりするといいです。

 

 

なぜ、1時間のテレビ番組に4回のCMゾーンがあるのか?

CMの本数さえ変えなければ、別に2回でも、5回でもいい気がします。

 

15分ごとになっている理由は、多くの人にとってそのくらいの時間が集中力を

持続できる限界だと考えられているからです。

 

自分からの提案が一通り終わっても、相手がそそくさと席を立つ様子がなければ、

「今日はこんなところです。ありがとうございます。

最近、ゴルフの調子はいかがですか?」

などと世間話を振ってみます。

 

 

第2パートでは、身を乗り出して話をするイメージですが、

この第3パートでは緊張を緩めて席に寄りかかって話すイメージです。

 

 

すると空気まで緩んで、

「さっき300万って言ってたけれど、

少し要素を削って200万のパッケージにすることはできないかなあ」なんて、

 

 

核心めいた本音が漏れてくることもあります。

 

 

または、次回以降の面談を提案されたり、

「とっておきの情報」を教えてもらえたりすることもあります。

 

 

 

できるビジネスマンは颯爽と去っていく

 

 

 

第3パートで、ひとしきり雑談も終わりました。

こうして予定の終了まで15分余ってしまったら、

「じゃあ、ちょっと早いですけどこの辺で」

という感じで締めて仕舞えばいいと思います。

 

極端な話、第1のパート15分のネタが5分で爆笑を取り、

第2のパートの15分でビジネスの話も滞りなく終了したのであれば、

1時間の約束を20分で終わらせることになります。

無理に1時間をフルに使うより、僕はむしろこのほうが有益だと思います。

時間が余るのを不安に思う必要はありません。

 

 

1時間の予定が20分で片付けば、

それは相手に40分の時間をプレゼントしたことになります。

 

 

相手の収入を時間あたりに直せば、40分拘束した場合の料金がいくらになることか。

それが複数人いれば相当のコストです。

そのコストを使わせずに、かつ自分にも40分の余裕ができたのですから、

みんな得したことになります。

 

空いた時間を使って、ネタ作りのために、街に出ればいいのです。

 

こういうビジネスパーソンこそ、相手には魅力的に映ります。

パッと笑わせてくれて、ビシッとビジネスの話をし、颯爽と去っていくんですから。

 

反対に気を付けなければいけないのは、すでに本題が終わっているのに、

雑談が盛り上がっていることでアポの時間を勝手にはみ出してしまうこと。

 

 

相手が喜んでいるからといって、断りもなく勝手に時間を延ばすことはNGです。

 

 

必ずアポの時間が終わる前に

「そろそろお時間ですが、大丈夫ですか?」

と声をかけるようにしてください。

 

 

 

早く終わったら、相手次第で雑談を振るのもよし

ただし、無断延長はNG!

 

☆4分割の法則

 

1時間のアポを15分ずつ4つに分割する。

1時間のテレビ番組に4回のCMが入るようなイメージです。

 

 

◯最初の15分

自分を好きになってもらうために使う

 

◯2番目の15分

提案内容と価格を明らかにして、攻めに転じる

 

◯3番目の15分

雑談または世間話をする。

緊張が緩んで思わぬ本音も

 

◯4番目の15分

雑談の続きをする。

または、早く切り上げる

 

☆企画書の3ページ目から説明する

 

1ページ目から説明する??

 

 

 

最初の15分が経過したあとの、次の15分、つまり第2のパートでは、

いきなり本題に入るべきだと述べました。

用意していた提案書は、ここで初めてバッグから取り出します。

 

 

初めから資料を机の上に出しておくと、

相手は冒頭からその存在がずっと気になるため、

第1のパートが盛り上がりに欠けてしまいます。

 

 

だから提案者は、第2パートで本題に転じるときに出します。

 

しかしさすがに、提案書に、

 

企画案 タイトル/〇〇〇〇 概要/別途説明します 価格/300万

 

とだけ書くわけには行きません。

相手が会社に帰ってからその提案を上司にきちんと説明できるように、

ペーパーには本題に入る前にデータやトレンドなどの

前フリを書いておいたほうがいいわけです。

 

余談ですが、大勢になってくると、こんな超簡単な提案書さえないことも。

 

某大物脚本家の長期ドラマ(誰もが知っている人気ドラマ!)の企画書は、

ペラ1枚に、タイトル、脚本・演出家の名前、主なキャストが

書かれているだけだったそうです。

 

テリー伊藤さんによる「天才・たけしの元気が出るテレビ!」

の企画書はわずか2、3ページの紙に、番組タイトルと出演陣、

そして「世の中は元気がないから、テレビの力で元気にしよう!」

的な企画趣旨だけが書いてあっただけでした。

にもかかわらず、それで問題なく通ったそうです。

 

でも、そんなことが許されるのは、誰でも名前を知っている著名な人を使った、

絶対に外さないであろう企画だけです。

 

 

 

企画書は3ページ目から読んでもらう

 

 

 

 先ほどもお話ししたように、企画書は、

提案の場にいなかった人が後から読んでもアウトラインがわかる程度に、

企画趣旨や内容の詳細、根拠となるデータや資料などの段階を踏んで、

最後に価格や状況を書くのがマナーです。

 

 

でも、現場で説明を始める際には、前フリをくどくどと説明するのはNGです。

 

 

これをやってしまうと、相手はすぐに飽きて、

ページをどんどんめくっていってしまいます。

 

企画趣旨というものは、1ページ目に

リーマン・ショック以降混迷の度合いを深めていた日本経済は、

アベノミクスでようやく復活の道を歩き始めたかに見えます・・・。」

などのように書かれているものが多いものですが、

これははっきりいってただのイントロであり、もっといってしまえばお飾りです。

 

僕なら、第2パート冒頭で本題に触れたら、すぐに、

 

 

「お手元の企画書ですが、最初は飛ばして3ページめからでよろしいですか?」

 

 

と確認を求めます。相手もすぐ僕の意図を察してOKを出してくれます。

 

相手だってビジネスパーソンです。

企画書は読み慣れていますし、作り慣れてもいます。

最初に書かれている企画趣旨は得てして形式を整えるためのものであり、

大した意味がないことを知っています。

 

そんなものは飛ばして早く本題に入ったほうがいいし、

このほうが身のある話をする時間が増えます。

そして何より、お互いそのほうがスマートに見えます。

 

途中の資料を飛ばしてしまうことがあります。

マーケティングのデータなど、しっかりした相手であれば百も承知のことです。

しかし紙の企画書では一応収録しておかなければいけませんから、

「もちろんご存知ですよね」と軽く触れるだけで次に移ります。

 

 

これは、「あなたの実力を認めています」という、敬意の表明にもなるわけです。

 

 

 

企画書には、形式を整えるための前振りが多い

口頭で説明するときは、大胆に省いて本題から入れ!

 

☆提案と価格をセットで話す

 

価格を最後まで出し渋る??

 

 

 

 最初の15分で、自分を好きになってもらうネタを披露したら、

 

 

第2のパートでは、いきなり結論から言って本題に入ります。

 

 

一回りネタを見せて笑わせ、世間話を交わしたところで、

一気に攻めに転じるわけです。

 

 

「ところで今日お時間を頂いたのは、他でもなく、

この企画を御社にオススメしたいからです。

予算的にはぶっちゃけ300万くらいを想定しています」

 

 

などのように、一気に「核心」へと飛んでいきます。

何が核心かと言えば、重要なポイントが2つあります。

 

 

ひとつは、どんな取引をしようと提案しているのか。

 

 

もうひとつは、価格はいくらか。

 

 

シンプルかつストレートに、

第2パートの冒頭でこの2つのポイントを開示してしまうのです。

 

いきなりお金の話をするなんて、性急すぎるのでは、と思われるかもしれません。

でも僕の考え方は正反対。

この例では、「企画」を説明する前に、

対価が300万円くらいであることをシンプルに表明しています。

しかし、もしクライアントの側に、

使える予算が100万円しかなかったらどうでしょうか?

 

「その規模になると、年度が改めてからにして頂きたい」と、

現時点ではその提案には応じられないことを伝えてくれるでしょう。

 

金額を告げるのは、説明を受ける貴重な時間を無駄にしないためでもあるのです。

 

 

 

いきなり値段を開示するのは

相手にとって失礼なことか?

 

 

 

 大きな駅の駅弁売り場を覗いてみてください。

幕の内弁当、シュウマイ弁当、ヒレカツ弁当、

うなぎ弁当、チキンライス、山菜おこわ・・・、

色とりどりのお弁当が並んでいて、どれを買おうか目移りしてしまいます。

 

それでも、多くの客が短い時間で買う弁当を決めています。

なぜ、短時間で判断できるかというと、

 

 

それぞれの弁当のサンプルや写真と値段が、

比較検討できるようにあらかじめわかりやすく開示されているから。

 

 

幕の内にはこのくらいのご飯と、こんな感じのおかずが入って1000円。

シュウマイ弁当はご飯にシュウマイ6個とおかず少しで700円、

それぞれの中味や値段がわかるからこそ、

最適なお弁当を選ぶことができるわけです。

 

では、サンプルだけで値札がなかったら?

客はかなり不便を強いられるでしょう。

やはり、値札もあったほうが絶対に比較検討しやすいはずです。

 

先ほどの企画の提案も同じこと。

金額がわからなければ、どんなに優れた内容であっても検討しようがありません。

 

第2のパートは、提案内容と価格。

この2つで攻めに転じてください。

 

 

第2パートではいきなり本題に入る

提案内容と価格を開示せよ!

 

☆アポの時間配分を考える

 

闇雲に話し始める??

 

 

 

ビジネスシーンでは、アポイントメント(アポ)をとってから、

先方に会いに行き、打ち合わせや会議を行うという流れが多いでしょう。

大抵は、限られた時間内に話をまとめるようにします。

 

ところが、いつも時間が足りなくなったり、

逆に余ったりして不安になる場合もあるし、

前フリの話を始めたのはいいけれど、

どこで切り上げて本題に移ればいいのか迷っているうちに

尻切れトンボになってしまうことも珍しくありません。

つまり、時間の配分がうまくいかないのです。

 

僕は打ち合わせや会議に臨む場合、

まずもらった時間をどう配分するかをある法則に照らし合わせ考えます。

 

 

「4分割の法則」です。

 

 

 打ち合わせや会議は大抵1時間です。

すると、大体15分ごとに4つのパートに分けます。

ちょうどテレビの1時間番組の間のCMが4つ入るような感覚。

もっとも、台本やプログラムというほどかっちりした進行表は必要ありません。

頭の中で意識して時間を割り振っておくのです。

 

この4パートをどう使うか。

僕の時間配分をご紹介しましょう。

 

 

 

最初の15分は、

自分を好きになってもらうための時間

 

 

 

何度も会っていてすでに気心が十分知れているメンバーばかりの場合でも、

そして初めて会うような場合ではなおさら、

 

 

最初のパートは「自分という人間を好きになってもらうための時間」

として使います。

 

 

ここまでに、様々なテクニックを紹介してきました。

 

 

相手の会社や会う人のリサーチ情報、

手土産やサプライズを使った演出法、

面白いネタの作り方、

会社ではなく自分自身を紹介する方法・・・

そういうものを全て、最初の15分間にぶち込んでいきます。

 

 

特に初めて会う相手には、自分がどんな人間であり、

しかも自分が相手に気遣いのできる人間であると知ってもらい、

「ああ、こいつ好きだなあ」と思ってもらうための、大切な15分です。

 

もし、あなたが販売しているものが自動車や保険であったり、

野球場の生ビールであるならば、

はっきり言ってどの人から買おうと大差はありません。

 

そこで、まずは「この人から買ってもいいかな」と思われることに集中します。

 

 

つまり、「面白い人」と思ってもらうのです。

 

 

それはやがて「この人を応援したいな」と評価を上げ、

最後に「何かあったらこの人に相談しよう」

というところまで行きつけば最高です。

 

 

自動車のセールパーソンが、いきなり会社の理念をアピールしても、

聞かされるほうは「それって俺とどんな関係があるの?」と白けてしまいます。

そのセールスパーソンの売るものが保険であれば、「保険なんていらないよ」

と一蹴されてしまうだけでしょう。

 

でも、人間として好きになってもらえば、

「保険に転職したんだって?顔を見せに来てよ。

営業成績が苦しいなら俺も入るし、何人か紹介できるぞ」

という展開になります。

会社の話をするなというのは、こんな理想を目指したいからなのです。

では、第2のパートはどうするのか。

次の項で説明しましょう。

 

 

 

1時間の打ち合わせを4つに分割する

最初のパートで自分を好きにさせる